ジムやフィットネスのBGMでは、EDM、ハウス、ヒップホップ、ポップスなど、テンポの速い曲がよく選ばれます。 ウォームアップ、筋力トレーニング、有酸素運動、クールダウンで合うテンポが違うので、エリアや時間帯で使い分ける考え方もあります。
手続きで気をつけたいのは、音楽の使い方です。 マシンエリアで流すだけなのか、スタジオでインストラクターが音楽に合わせてレッスンをするのかで、扱いが分かれる可能性があります。 JASRACの使用料規程では、フィットネスクラブで運動の指導とともに音楽を使う場合は、BGMとは別の区分になっています。
ジムやフィットネス向けのプレイリスト
各社のサービスで流せる、ジムやフィットネス向けのチャンネルやプレイリストの例です。
| サービス | チャンネル名、プレイリスト名の例 | 月額(税込) |
|---|---|---|
| BGM Pro分類:ジム・フィットネス |
| 980円〜 |
| モンスター・チャンネル分類:スポーツ / レジャー |
| 2,068円〜 |
チャンネルやプレイリストは各社の公式サイトで2026.10.06に確認したものの一部です。季節などで入れ替わることがあります。
BGM Proには、ジム・フィットネスのほかに、ヨガとピラティスの分類もあり、「ヨガ・おまかせ」「ピラティス・おまかせ」「メディテーション・サウンド」などがあります。 モンスター・チャンネルには、「ワークアウト」でよく検索されるチャンネルの一覧もあり、ハウスやEDMが並んでいます。
OTORAKUとUSEN MUSICには、フィットネスの業種の分類がありません。 USEN MUSICの近い分類は「レジャー/スポーツ施設」ですが、イージーリスニングやマーチなどが中心で、トレーニング向けの並びではありません。
運動の種類ごとのテンポ
BGM Proのジム向けの解説では、運動の種類ごとのテンポ(BPM、1分あたりの拍の数)の目安を次のように示しています。
| 運動 | テンポの目安 |
|---|---|
| ウォームアップ | 90〜110 |
| 筋力トレーニング | 100〜150 |
| 有酸素運動、HIIT | 120〜180 |
| クールダウン | 60〜90 |
同じ解説では、大きなジムはエリアごとに曲を変え、24時間営業のジムは時間帯で自動で切り替えることを勧めています。 ヨガのクラスについては、USENのコラムが、ゆったりしたテンポで、インストラクターの声が聞こえる音量にする考え方を示しています。
著作権の手続き
ジムやフィットネスでは、音楽の使い方によって手続きが分かれます。
フィットネスクラブのレッスンはBGMとは別の区分
JASRACの使用料規程は、フィットネスクラブで、運動の指導や管理とともに音楽を使う場合を、BGMとは別の区分(フィットネスクラブにおける演奏等)にしています。 ここでのフィットネスクラブは、屋内にスタジオやマシンジム、プールなどの運動設備を設け、インストラクターやトレーナーを置いて、利用客に運動の指導や管理をする施設です。 年間契約の使用料は、月会費と面積で決まる1施設あたりの月額です。 表のいちばん小さい区分(月会費5,000円まで、50坪まで)は月3,100円(税抜)で、20坪(66㎡)以下の施設はその半額(月1,550円)です。 月会費を決めていない施設には、月会費5,000円までの区分が当てはまります。
JASRACのBGMのオンライン申請も、フィットネスクラブでのスタジオの利用を、BGM以外の利用として申し込めないものに挙げています。 ダンス教室は、さらに別の区分(ダンス教授所における演奏等)です。
店舗BGMサービスが認めているのはBGMとしての利用
店舗BGMサービスの規約が認めているのは、施設の背景音楽(BGM)として曲を流すことです。
| サービス | 規約や公式の説明 |
|---|---|
| BGM Pro | 利用規約で、店舗や施設の中で背景音楽(BGM)として再生することを目的とするとしている |
| モンスター・チャンネル | 利用規約で、登録した施設の背景音楽としての再生を許諾するとしている。著作権の案内では、音楽に合わせたダンススクールの運営など、BGM以外の利用はできないと明記 |
| USEN MUSIC | 約款で、店舗の中のBGMとしてだけ利用できるとしている |
| OTORAKU | 利用規約で、サービスを業務店向けのBGM音楽配信サービスと定め(2条)、運営会社が代わりに行う手続きは、店舗BGMとして使うために必要なものとしている(22条) |
そのため、店舗BGMサービスを契約しても、スタジオのレッスンで音楽に合わせて運動を指導するような使い方まで認められているとは言えません。
マシンエリアで流すだけの場合
マシンエリアで背景に流すだけの場合に、BGMの区分になるのか、フィットネスクラブの区分になるのかは、JASRACの規程や案内からははっきり読み取れませんでした。 フィットネスクラブの区分の備考は、BGMの規定が当てはまる伝達をこの区分から除いていて、フィットネスクラブの中にもBGMとして扱う流し方があることを前提にしています。ただ、どんな流し方がそれに当たるかは書かれていません。 レッスンを行わないジムでも、トレーナーを置いて利用客の運動を管理している施設なら、フィットネスクラブの区分の定義に近くなります。 開業前に、使う予定のサービスに、施設の使い方を伝えて利用の範囲を確かめておきます。 市販の曲を流すサービスやCDを使う場合は、JASRACの担当支部にも確かめておくと確実です(BGM Proのように、JASRACが管理する曲を使わないサービスなら、確かめる先はサービス側です)。
SpotifyやYouTubeは、利用規約でお店での利用を認めていないので、どの場合も使えません(「店舗BGMの著作権」)。
ジムに合うサービスの選び方
マシンエリアの背景に流すBGMなら、ジム向けの分類があるBGM Proかモンスター・チャンネルが選べます。 曲名にこだわらず費用を抑えたいならBGM Pro、EDMやヒップホップなど市販の曲を流したいならモンスター・チャンネルです。 ヨガやピラティスのスタジオの受付や待合で流すなら、BGM Proのヨガとピラティスの分類も使えます。 レッスン中に流す場合は、上のとおり、使うサービスに利用の範囲を確かめます。
スタジオで音楽に合わせたレッスンをする場合は、サービスを選ぶ前に、上のとおり手続きを確かめます。
参考資料
いずれも2026年10月6日に確認