機材と始め方

店舗用スピーカーの選び方|お店の広さに合う種類、アンプ、台数と、代表的な業務用製品

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カフェ店主
30席ほどのカフェを開きます。スピーカーは家庭用のもので足りるのか、業務用を買うべきか迷っています。
編集部
広さと、天井に付けたいかどうかで決まります。種類、アンプ、台数の順に見ていきましょう。

お店のスピーカーは、お店の広さと、どこに付けるかで選びます。

  • 小さなお店で、置くだけでよい:スマホとBluetoothスピーカー、またはコンセントにつなぐアンプ内蔵のスピーカー
  • 店内に均一に流したい、壁や天井に付けたい:アンプと業務用のスピーカー(壁掛けや天井埋め込み)
  • 広いお店、スピーカーが多い、配線が長い:ハイインピーダンスのアンプとスピーカー

使う店舗BGMサービスによって、Bluetoothスピーカーの扱いが違うことも確かめておきます。 この記事の製品は、編集部が店で試したものではなく、メーカーの公式サイトの仕様と価格で比べたものです(2026年10月6日に確認)。

スピーカーの種類

種類 アンプ 向いているお店
Bluetoothスピーカー いらない(充電式やコンセント式) 小さなお店。置くだけで始めたい
アンプ内蔵のスピーカー(パワードスピーカー) いらない(コンセントにつなぐ) 小さなお店。有線で安定させたい
業務用の露出型(壁掛け、天井に金具で付ける) 必要 中くらいのお店。店内に均一に流したい
業務用の天井埋め込み 必要 内装に合わせてスピーカーを目立たせたくないお店
業務用の吊り下げ(ペンダント) 必要 天井が高いお店

TOAの解説は、箱型(露出型)は天井が低かったり台数が少なかったりすると店内に均一に流しにくいので、台数を多めにして1台あたりの音量を下げる工夫を勧めています。 天井埋め込みは、スピーカーを目立たせたくない場合に向くとしています。

アンプがいるかどうか

モンスター・チャンネルのよくある質問は、スピーカーがコンセントにつなげるタイプならアンプはいらず、つなげないタイプならアンプが必要としています。 アンプは、スピーカーに電力を送り、音量を調節する役割を持っています。

この記事で取り上げた業務用のスピーカーは、どれもアンプが必要なタイプです。 つなぎ方は、スマホやタブレットのイヤホン端子からアンプの外部入力へケーブルでつなぎ、アンプとスピーカーをスピーカーケーブルでつなぎます。

ローインピーダンスとハイインピーダンス

業務用のスピーカーとアンプには、ローインピーダンスとハイインピーダンスの2つの方式があります。

方式 特徴 向いているお店
ローインピーダンス(4Ω、8Ωなど) 家庭用のオーディオと同じ方式。音質を得やすいが、配線が長くなると音質が落ちる スピーカーが少なく、配線が短いお店
ハイインピーダンス(100Vライン、70Vライン) 1台のアンプに多くのスピーカーをつなげ、配線を長く引き回せる 広いお店、スピーカーが多いお店

TOAの解説は、配線の長さが20m以上になりそうなら、ハイインピーダンスの方式を選ぶとよいとしています。 日本では、ハイインピーダンスは100Vラインが一般的です(ヤマハの解説)。

気をつけたいのは、方式の違うスピーカーを混ぜてつながないことです。 モンスター・チャンネルのよくある質問は、インピーダンスの違うスピーカーをつなぐとアンプが故障するとしています。 ハイインピーダンスでは、アンプの出力(W数)を、つなぐスピーカーのW数の合計以上にします(TOAのよくある質問)。

注意

ハイインピーダンスの「100V」は、スピーカーの線に流れる信号の電圧のことで、コンセントの電源とは別のものです。ヤマハの取扱説明書は、スピーカーの端子を家庭用の100Vの電源につながないよう注意しています。

スピーカーの台数の目安

モンスター・チャンネルのよくある質問は、お店の面積ごとのスピーカーの個数の目安を、次のように示しています(天井の高さなどで変わるとしています)。

お店の面積 スピーカーの個数
30坪(99㎡)まで 〜2個
50坪(165㎡)まで 〜4個
100坪(330㎡)まで 〜6個
100坪(330㎡)より広い 8個以上

天井埋め込みのスピーカーを並べる場合、TOAの解説は、天井の高さが2.5m以下ならスピーカーの間隔を2.5〜5m(1個で12.5〜25㎡)としています。 間隔を広く取るほど場所による音量の差が出るので、台数には余裕を持たせるよう勧めています。 この目安で30坪(99㎡)の店に天井埋め込みを並べると4〜8個になり、上のモンスター・チャンネルの目安より多くなります。露出型か天井埋め込みかで、必要な台数は変わります。

モンスター・チャンネルのよくある質問は、店舗のBGMには、聞く場所によって左右の音のバランスが変わらないモノラルの再生が一般に向くとしています。

Bluetoothスピーカーで流す場合の注意

Bluetoothスピーカーは手軽ですが、次の点を確かめておきます。

  • サービスの扱い:BGM Proは、BluetoothやAirPlayのスピーカーで使えると案内し、解説記事では、客席10〜20席程度のカフェや美容室ならスマホとBluetoothスピーカーで店内に十分届くとしています。OTORAKUは、使えるものの長時間の業務利用には向かないとして、USENのスピーカー以外はサポートの対象外にしています
  • 届く距離:製品で違い、ソニーのSRS-XB100は見通しで約30m、アイリスオーヤマのBTS-112は約10mとしています。人や壁、電子レンジ、Wi-Fiの機器などで短くなります
  • 自動で電源が切れる機能:SRS-XB100は、再生も操作もない状態が約15分続くと電源が切れます(設定で切れないようにできます)
  • 複数の端末からの同時再生:SRS-XB100は、複数の端末とペアリングできても、同時に再生することはできません

接続が途切れると、BGMも止まることがあります。 曲が止まる時間を作りたくないお店や、店内の離れた場所に流したいお店は、有線でつなぐアンプと業務用スピーカーのほうが安定します。

メーカーが店舗のBGM向けに案内している代表的なスピーカー

各メーカーが、店舗のBGMや商業空間向けとして案内しているスピーカーの例です。 価格はメーカーの表記どおりで、ヤマハは税込、TOAは税抜です。

メーカー、型番 種類 方式 価格(メーカー表記)
ヤマハ VXS3F 小型の露出型 ローインピーダンス 40,700円(1ペア、税込)
ヤマハ VXS3FT 小型の露出型 ハイインピーダンス 46,200円(1ペア、税込)
ヤマハ VXS5 露出型(防水IP35。天井に縦向きで付けるとIP34、上向きでは防水なし) ロー、ハイの両方 63,800円(1ペア、税込)
ヤマハ VXC4 天井埋め込み ロー、ハイの両方 44,000円(1ペア、税込)
ヤマハ VC4NB/VC4NW 天井埋め込み ロー、ハイの両方 16,500円(1台、税込)
TOA F-03B 小型の露出型(壁、天井) ローインピーダンス 23,900円(税抜)
TOA F-03BM 小型の露出型(壁、天井) ハイインピーダンス 28,000円(税抜)
TOA PC-2361 天井埋め込み ロー、ハイの両方 17,700円(税抜)
Bose Professional FreeSpace FS2SE 小型の露出型(IP55) ロー、ハイの両方 公式サイトに表示なし
Bose Professional FreeSpace FS4SE 露出型(IP55) ロー、ハイの両方 公式サイトに表示なし
Bose Professional FreeSpace FS4CE 天井埋め込み ロー、ハイの両方 公式サイトに表示なし

TOAの価格は、製品ページに単位が書かれていませんが、仕様書の付属品が1台分なので、1台の価格とみられます。 ヤマハのVXS3Fシリーズは、レストランやカフェ、アパレルなどの店舗向けの小型モデルとして案内されています。 VCシリーズは、価格を抑えた天井埋め込みのシリーズです。

代表的なアンプ

メーカー、型番 特徴 価格(メーカー表記)
ヤマハ MA2030a 店舗のBGMとアナウンス向け。ローとハイの両方に対応。スマホのイヤホン端子からつなげるステレオミニの入力がある 60,500円(税込)
TOA BG-M130 小規模店舗のBGM向けの30Wのアンプ。ローとハイの両方に対応。BGMの入力はRCA端子(スマホからは変換ケーブルがいる) 50,800円(税抜)
TASCAM MA-BT240 Bluetoothの受信機能付き。ローとハイの両方に対応 71,500円(税込)

TOAは、Bluetoothを内蔵した卓上のアンプは自社にないと、よくある質問で回答しています(ワイヤレスアンプなどには、Bluetoothのユニットを組み込める機種があります)。 スマホを置く場所とアンプを置く場所が離れているなら、Bluetoothの受信機能があるアンプが便利です。

設置の工事

壁や天井にスピーカーを付ける場合は、取り付け工事がいります。 ヤマハのVCシリーズの取扱説明書は、取り付け工事は必ず専門の施工会社に頼むよう書いています。

店舗BGMサービスに工事を頼める場合もあります。

  • OTORAKU:ヘルプは、音響機器設置工事費を20,000円(税抜)、工事の時間を工法によって1〜2時間程度としています。レンタルプランのページは、工事の内容によって別に見積もるとしています。内装工事の後でも、技術スタッフの下見で判断したうえで、天井の点検口があれば基本的には後からスピーカーを付けられるとしています
  • USEN MUSIC:約款は、音響機器と設置工事はサービスに含まないとし、サイトでは別に見積もるとしています
  • BGM Pro:機器のレンタルや販売はしていないとし、今あるアンプや館内放送の設備に端末をつなげば、既存の天井スピーカーもそのまま使えるとしています
  • BGMC Station:現地での接続や設定のサポートはしていないとし、手持ちの機器も多くの場合そのまま使えるとしています

ビルにテナントとして入るお店では、火事などのときにBGMを自動で止める「カットリレー」がつながっている場合があります。 モンスター・チャンネルのよくある質問は、BGM用のアンプの電源をカットリレーのコンセントにつなぐ方法を案内しています。 ビルの管理会社に、つなぎ方を確かめておきます。

レンタルで用意する場合

OTORAKUとUSEN MUSICでは、スピーカーやアンプを月額で借りられます(約款や規約の料金表、税抜)。

機器 月額(税抜)
Bluetoothスピーカー 500円(1台)
BOXスピーカー 400円(1台)
埋め込みスピーカー 300円(1台)
Bluetoothアンプ 1,000円(1台)
ハイインピーダンスアンプ 1,700円(1台)

借りた機器をなくしたり壊したりすると、Bluetoothスピーカーで10,000円などの損害金がかかります。 撤去するときに天井などを元に戻す費用は、契約者の負担です。

お店の条件で選ぶ

  • 小さなお店で、手軽に始めたい:スマホとBluetoothスピーカー、またはアンプ内蔵のスピーカー。BGM ProはBluetoothで十分届く場合があるとし、OTORAKUはアンプを勧めているので、使うサービスの案内を先に確かめる
  • 店内に均一に流したい、見た目を整えたい:アンプ(ヤマハ MA2030aなど、ローインピーダンスで使えるもの)と、小型の露出型スピーカー2〜4台
  • 広いお店、スピーカーを増やす予定がある:ハイインピーダンスのアンプとスピーカー。工事は施工会社に頼む
  • 機器選びも工事もまとめて任せたい:機器のレンタルと工事を頼めるOTORAKUやUSEN MUSIC

音量の決め方とスピーカーの置き方は「BGMの音量とスピーカーの置き方」で、スマホのつなぎ方は「スマホでお店にBGMを流す方法」で説明しています。

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参考資料

いずれも2026年10月6日に確認

よくある質問

家庭用のBluetoothスピーカーをお店で使ってもいいですか?
使えますが、サービスによって扱いが違います。BGM Proは、Bluetoothのスピーカーで使えると案内しています。OTORAKUは、使えるものの長時間の業務利用には向かないとして、USENのスピーカー以外はサポートの対象外としています。
スピーカーは何台必要ですか?
モンスター・チャンネルのよくある質問は、目安として30坪までなら〜2個、50坪までなら〜4個、100坪までなら〜6個としています。天井の高さやスピーカーの種類で変わり、天井埋め込みを並べるならこれより多くなることがあるので、店内のどこでも同じくらいの音量で聞こえるかを確かめて決めます。
アンプは必ず必要ですか?
コンセントにつなぐアンプ内蔵のスピーカーやBluetoothスピーカーなら、アンプはいりません。業務用の壁掛けや天井埋め込みのスピーカーの多くは、アンプが必要です。

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