YouTubeは、お店のBGMとしては使えません。 YouTubeの利用規約が、不特定または多数の人のために音楽をストリーミングすることを禁止しているためです。
有料のYouTube PremiumやYouTube Music Premiumでも変わりません。 「著作権フリー」や「作業用BGM」とうたう動画でも、YouTubeで再生して流す限り、この規約にかかります。
お店で音楽を流すなら、店舗BGMサービスを契約するか、お店での利用を認めている音源を作曲者のサイトからダウンロードして使います。
YouTubeの利用規約が禁止していること
YouTubeの利用規約(2023年6月1日発効)は、「許可と制限事項」の冒頭で、コンテンツを視聴できるのは「個人的で、非営利目的の用途」だとしています。
同じ節の禁止事項には、次の一文があります。
本サービスを個人的、非営利的な用途以外でコンテンツを視聴するために利用すること(たとえば、不特定または多数の人のために、本サービスの動画を上映したり、音楽をストリーミングしたりすることはできません)。
お店で動画を再生して、お客さんに音楽を聞かせるのは、この「不特定または多数の人のために」音楽をストリーミングすることにあたります。 同じ節は、本サービスの機能として認められている場合や、YouTubeと権利者が書面で許可した場合を除いて、コンテンツのダウンロードも禁止しています。 Premiumのオフライン保存のように認められた方法で保存しても、個人的で非営利の用途に限られることは変わらないので、保存した音声をお店で流すこともできません。
YouTube PremiumやYouTube Musicなら流せるのか
有料プランでも流せません。 YouTube PremiumとYouTube Music Premiumには、通常の利用規約に加えて、有料サービス利用規約(2026年6月18日発効)が適用されます。
有料サービス利用規約の5条は、有料サービスを利用できるのは「個人的かつ非商用目的で利用する場合にのみ」だとしています。 有料プランにしても、個人的で非商用の利用に限るという条件は変わりません。
「著作権フリー」の動画なら流せるのか
「著作権フリー」と書かれた動画も、YouTubeで再生してお店に流すことはできません。 YouTubeが禁止しているのは、YouTubeというサービスを使って不特定または多数の人のために音楽をストリーミングすることだからです。 動画の音楽に著作権の手続きがいるかどうかは、この禁止とは関係しません。
チャンネルの説明に「お店で使ってOK」と書かれていても、同じです。 利用規約は動画を見る人とYouTubeとの契約で、チャンネルの運営者が変えられるものではないからです。
作業用BGMの動画には、もとの音源の利用条件に反しているものもあります。 たとえば音源配布サイトのOpenTracks(旧DOVA-SYNDROME)は、音源をそのまま並べた「作業用BGM」の動画を公開することを禁止しています。
補足
YouTube Studioの「オーディオライブラリ」の音源は、YouTubeのヘルプで「動画で使用できる」音源として案内されています。お店で再生することについては、ヘルプに記載がありません。
規約違反と著作権の問題の違い
お店で音楽を流すときは、次の2つを分けて考えます。
| 確認すること | 中身 | YouTubeの場合 |
|---|---|---|
| サービスの利用規約 | サービスを提供する会社との契約で、どんな使い方が許されているか | 不特定または多数の人のためのストリーミングを禁止しているので、満たせない |
| 著作権の手続き | 作詞家や作曲家などへの使用料。JASRACなどと契約して払う | JASRACなどと契約すれば満たせる |
YouTubeをお店で流すことは、まずYouTubeとの契約(利用規約)に反します。 規約違反は契約の問題なので、規約に反しているというだけで、すぐに法律違反になるわけではありません。 ただ、流している曲がJASRACなどの管理する曲で、お店がJASRACなどと契約していなければ、著作権の問題も生じます。
反対に、JASRACと契約しても、YouTubeを流してよいことにはなりません。 JASRACも、BGMのオンライン申請のページで、聴き放題(サブスクリプション)のサービスは個人的な利用に限られている場合があるので、申し込む前に各サービスの利用規約を確認するよう案内しています(YouTubeを名指ししたものではありません)。
日本レコード協会は、音楽ストリーミングサービスについての特設サイトのFAQで、自分のスマホで流しているだけでも、お客さんが聞ける状況での利用はできないと説明しています。
お店で使える音源の探し方
お店で音楽を流す方法は、大きく3つあります。
- 店舗BGMサービスを契約する
- 自分でJASRACと契約して、市販のCDを流す
- お店での利用を認めている音源を、作曲者や配布元のサイトからダウンロードして流す
店舗BGMサービスを契約する
店舗BGMサービスは、お店で流すことを前提に作られています。 著作権の手続きをサービス側が済ませているか、JASRACなどの管理する曲を使っていないので、お店の手続きはいりません。 スマホやタブレットのアプリで流せるサービスなら、YouTubeを流していたときと同じ端末とスピーカーを使えます。
| サービス | 総合評価 | 月額(税込) | 初期費用 | 無料体験 | 著作権 | 公式 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| モンスター・チャンネル | 4.6 | 2,068円〜 | 0円 | 14日間無料(支払情報の入力不要) | ○ 手続き込み | 見る |
| BGM Pro | 4.2 | 980円〜 | 0円 | 7日間無料(カード登録不要) | ○ 手続き不要 | 見る |
| BGM House | 4.0 | 1,089円〜 | 0円 | 7日間無料(カード登録不要) | ○ 手続き不要 | 見る |
| FaRao PRO | 4.0 | 3,300円〜 | 15,000円(税抜) | 14日間無料 | ○ 手続き込み | 見る |
| OTORAKU(オトラク) | 4.0 | 3,608円〜 | 3,300円(税込) | 登録した月のうちに解約すれば無料(最大31日間) | ○ 手続き込み | 見る |
総合評価の上位5つを表示しています。全9サービスの比較は「店舗BGMサービスの比較」で見られます。
YouTubeの代わりにスマホで手軽に流したいなら
BGM Pro
- 月額換算980円からと安い
- 初期費用と違約金がかからない
- 著作権の手続きがいらない
\ 7日間無料(カード登録不要) /
BGM Proを無料で試す自分でJASRACと契約して市販のCDを流す
手持ちのCDを流すなら、お店の経営者がJASRACと契約します。 500㎡までのお店なら年6,570円(税込、2026年度)です。 CDの曲をスマホやCD-Rにコピーして流す場合は、別に複製の手続きがいります。 申し込みの流れは「お店のBGMをJASRACに申し込む方法と料金」で説明しています。
2026年の著作権法改正で、CDや配信音源をお店で流すときに、歌手や演奏者、レコード会社にも使用料を払う仕組み(レコード演奏・伝達権)ができました。施行は2029年6月までのどこかで、金額や払い方はまだ決まっていません(「2026年の著作権法改正で店舗BGMはどう変わるのか」)。
作曲者や配布元のサイトから音源をダウンロードする
作曲者や配布元が、自分のサイトで音源を配り、お店での利用を認めている場合があります。
| サイト | お店での利用についての記載 | 使うときの条件 |
|---|---|---|
| 甘茶の音楽工房 | Q&Aで、お店のBGMとして使ってよいと回答 | 直リンクでの使用は禁止(ダウンロードして使う) |
| OpenTracks(旧DOVA-SYNDROME) | 音源利用ライセンスで、店舗での利用を背景音楽の利用例に挙げている | サイトから直接再生するのは禁止(ダウンロードして使う)。作曲者が別に条件を決めている場合は、その条件も確かめる(禁止事項はサイトのライセンスが優先) |
どちらのサイトも、著作権は作曲者に残っていて、利用条件はサイトの規約で決まっています。 規約は変わることがあるので、使う前にその時点の規約を確かめます。
「著作権フリー」とうたう音源には、JASRACなどが管理する曲が混ざっていることもあります。 音源の選び方の注意は「著作権フリーの音源やAIで作った音楽は、お店で流せる?」で説明しています。
YouTubeから乗り換えるときの選び方
YouTubeでジャズやボサノバ、Lo-fiのような雰囲気の動画を流していたなら、曲名より雰囲気が大事なはずです。 その場合は、雰囲気や業種でプレイリストを選べる、月額の安いアプリ型の店舗BGMサービスで足ります。 有名なアーティストの曲を流したいなら、市販の曲を扱うOTORAKUやモンスター・チャンネル、USEN MUSICから選びます。
業態に合う曲の雰囲気は「お店の雰囲気に合うBGMの選び方」で、著作権の全体像は「店舗BGMの著作権」で説明しています。
参考資料
いずれも2026年10月6日に確認